小さな物語たち

優しく、時に切ない、小さな物語を紡いでいきたいです。

トゲトゲかいじゅう

いつもは仲良しのキツネくんとタヌキくんがケンカをした。

「タヌキくんのバカ。大嫌い!」

キツネくんはトゲトゲした気持ちになって、たくさんの悪口を言った。

 

すると、その悪口がもくもくと集まって・・・

 

体中トゲトゲの、トゲトゲかいじゅうになっちゃった。

怖がりのタヌキくんは、驚いて逃げ出した。

 

トゲトゲかいじゅうが、森の中へと歩いて行く。

「トゲトゲ~」

 

面白そうなので、キツネくんはこっそり後を付いていった。

 

うさぎさんが、お花畑でお花を摘んでいた。

トゲトゲかいじゅうは、うさぎさんをしっぽのトゲで、チクッとさした。

 

すると、うさぎさんがトゲトゲうさぎさんになっちゃった。

「トゲトゲぴょ~ん」

 

もっと歩いて行くと、紙飛行機で遊んでいるブタくんがいた。

トゲトゲかいじゅうは、ブタくんのこともチクッ。

トゲトゲぶたくんになっちゃった。

「トゲトゲぶ~」

 

トゲトゲかいじゅうは、キツネくんのお家に向かって歩いて行く。

「大変、大変。このままじゃ大好きなママまで、トゲトゲママになっちゃうよ~」

 

「えーん、えーん」

キツネくんが泣いていると、

「キツネくん、大丈夫?」

タヌキくんが走ってきた。

「タヌキくん!」

 

「さっきは、ごめんね」

キツネくんは謝った。

「ぼくの方こそ、ごめんね。ねぇ、仲直りしようよ」

タヌキくんが笑った。

キツネくんも笑った。

キツネくんは、ポカポカした気持ちになった。

 

「みんなおやつの時間よ」

キツネくんのママの優しい声が聞えた。

「はーい」

うさぎさんとブタくんもやって来た。

 

空には、ポカポカお日さま。

トゲトゲかいじゅうは、もうどこにもいなかった。

 

 

おしまい

 

ことば

優しい言葉のつもりが

不用意に

きみを傷つけてしまう

 

言葉は難しいな

 

そういう僕も

小さな一言に

身動きが取れなくなったりするんだ

 

かと思えば

どんなに言葉を尽くしても

何も伝えられないときもある

 

言葉は無力だな

 

けれども

僕は信じている

言葉の力を

 

いつか誰かの心に響き

笑顔にすると

信じている

 

 

からっぽ

からっぽ

からっぽ

簡単なようで

難しい

 

頭を埋め尽くす

悩み

戸惑い

不安

 

すべて忘れて

ぼーっとしたいな

 

からっぽ

からっぽ

求めれば

ますます

頭こんがらがり

 

からっぽ

からっぽ

真っ青な空見上げ

今日もぼくは探しているよ

 

からっぽのかけらでも

見つけられはしないかと

 

 

見えるものと見えないものの間で

見えるものと

見えないものの

間で 揺れ動く 心

 

見えるものの

不確かさと

見えないものの

不安定さ

 

不透明な

未来に

僕らは

不安を感じ

 

けれど

見えるものの

強さと

見えないものの

可能性に

 

希望をのせて

走り続ける

どこかへ

どこへでも

 

 

 

正解

たった一つの正解を

選ばなければならないと

そう思うほどに

苦しくなる

 

いつの間にか

桜の花は散ってしまった

 

けれど

今は

青々とした葉が

風に揺れている

 

その間から

光がこぼれる

 

ああ

僕を苦しくしていたのは

僕自身だったんだな

 

正解は一つきりではないと

何を選択しても

間違いではないと

そう思えば道が拓けてくる

 

例え

間違ったとしても

その先の正解に続いていく

 

僕はまた

新しい一歩を踏み出すんだ

 

 

 

チューリップ

きみのように

すっくと立って

花を咲かせたい

 

きみのように

明るい彩りで

みんなを楽しませたい

 

きみのように

柔らかな風に

優しく揺れていたい

 

きみに会えて

いま

 

ぼくの心は

晴れやかな

春の喜びを感じているよ

 

 

 

きっと

落ち込む日があったって

だれかには良い日だったかもしれない

きっと世界は

そんなに悪くない

 

暗闇の中にいるような時でも

窓開ければ青空が広がっている

きっと世界は

そんなに悪くない

 

俯いて歩いていても

小さな花が咲いていることに気づく

きっと世界は

そんなに悪くない

 

今はまだ信じられなくても

静かに声に出してみる

 

「きっと世界は そんなに悪くない」